マイクロソフトは10月2日に新型Surfaceを6製品発表しました。
今回のSurfaceイベントを一言で表すならまさに「予定不調和」予定調和ではなく、完全に予定不調和。そしてマイクロソフトの本気を感じました。
今回発表された製品は以下の通り。
予想通りだったもの
- Surface Laptop 3
- Surface Pro 7
- Surface Pro X
予想外だったもの
- Surface Earbuds
- Surface Neo
- Surface Duo
以下で詳しく解説していきます。
Surface laptop 3 には13インチに加え15インチが追加
Surface Laptop 3は今回で3代目となり、13.5インチに加え、新たに15インチモデルが追加されます。
13.5/15インチの両方についに待望のUSB-Cが搭載されました。これまでSurface Laptopが欲しかったけど、USB-Cが非搭載で敬遠していたひとも多かったでしょう。もうそんな心配は要りませんね。
また、タッチパッドは20%大きくなり操作性が向上。そしてモジュール構造でキーボード部分をパカッと開くことでハードドライブを交換できるとのこと。これで修理も非常に簡単になるというわけです。
キートラベルは1.3mmと最近のモバイルノートパソコンとしては深さがあり、MacBookなどに比べて、格段に快適にタイピングできそうです。
さらに、バッテリーは1時間で80%充電できる超高速充電に対応しています。1時間で80%ってかなり速いですね。スマホでは高速充電は一般的になってきましたが、パソコンでここまで高速な充電できるのは驚きです。
13.5インチモデルは最新のインテル第10世代Core i7搭載、アルミニウムのみのモデルも
13.5インチモデルには最新のインテル第10世代チップが搭載されています。これはインテル初の10nmで製造されたチップで、過去のモデルに比べGPUの性能がお大きく向上しているとのこと。そのため、ゲームやちょっとした動画編集なら難なくこなせてしまいます。
マイクロソフトによると、全世代のLaptop2より2倍、MacBook Airより3倍もパワフルであるとのこと。
本体はオールアルミニウムとなり、Surface Laptopの特徴であったキーボードのアルカンターラ素材はオプションで選べるようになりました。
完全アルミニウム素材の方は、よりMacBookぽくなりました笑。実際、アルカンターラは汚れが目立ちますし、手入れも大変なので個人的にはオールアルミニウムの方が断然いいですね。
10月2日から予約でき、10月23日から購入できます。 価格は13万9480円(税込)から 。ただし、Office Home and Business 2019がプリインストールされています。Officeに関してはオプションにしてほしいですね。
15インチはマイクロソフト専用のカスタムAMD Ryzen搭載
新たに加わった15インチモデルには、マイクロソフトとAMDが共同で開発した選用のカスタムRyzenチップが搭載されています。AMDと組んで専用にチップを開発するあたりから、マイクロソフトの本気度が伺えます。
マイクロソフトによると、このクラスのモバイルノートPCでは最もパワフルだそう。てことは、AMDのチップはインテルよりも高性能であるとマイクロソフトが認めたってことでいいんですかね。
ちなみに15インチモデルはアルカンターラのオプションは無く、全てアルミニウムモデルのみです。
10月2日から予約でき、発売日は10月23日。15インチ版の気になる価格は、18万3480円(同)から。また残念なが、Office Home and Business 2019がプリインストールされています。
Surface Pro 7
Surface Pro7は今回の発表の中で最も地味ながら正当進化といった感じ。Pro6 から以下の2点がアップデートされています。
USB-C搭載
インテル第10世代Core搭載でCPUは40%、GPUは2倍パフォーマンスが向上
見た目はSurface Pro6からほとんど変わっていません。
これまで通りの安定したSurfaceが欲しい人に最適ですね。
また、Surface Pro7のみの機能ではありませんが、発表会で披露されたSurface Penで手書きした文字がテキストに変換されたり、削除ができる機能も便利そうです。
Surface Pro7は10月2日から予約、23日から販売開始です。価格は10万9780円から。
Office365を操作できるワイヤレスイヤホン「Surface Earbuds」
まさかのマイクロソフト製の完全ワイヤレスイヤホンです。
形は側面が丸く、割と大きめ。正直つけているとかなり目立ちそうです。マイクロソフトによると、「1日中つけていても快適な形」を求めてデザインしたとのこと。
ノイズキャンセリングや24時間のバッテリーが特徴。
そしてマイクロソフトらしくOffice365との連携が最大の特徴です。イヤホン側面のタッチパッドでOutlookのメールやカレンダーを読み上げたり、Word、Powerpoint上のテキストを翻訳してくれたり(60の言語に対応)、イヤホンに備わっているマイクで音声操作したりできるようです。
昨年発表された画面上に置いてクルクルと回すことで操作できる「Surface Dial」とワイヤレスイヤホンが合わさった感じですね。使い勝手は不明ですが、非常に面白そうな製品です。
また、Spotifyとも連携しており、Androidスマホであればジェスチャーやタップで再生/停止、スキップなどの操作が可能。
価格は249 ドル、日本での発売は未定です。
SnapdragonベースのカスタムSoC搭載!LTE接続で軽量・極薄のSurface Pro X
今回の発表の中で最も大きな意味を持ちそうなのがこの「Surface Pro X」
なぜかと言えば、これまでインテルとAMDが席巻していたWindowsPCのプロセッサー市場にARMという新勢力が誕生するかもしれないからです。
Surface ProXにはマイクロソフトとQualcommが共同開発したSurface 専用ARM系SoC「SQ1チップ」が搭載されています。チップの詳細はわかりませんが、Snapdragon8cXをベースにSurface 向けにさらなる高性能化と最適化を図ったものでしょう。
マイクロソフトによるとSQ1チップはSurface Pro 6の3倍のワットパフォーマンスとのこと。要するに同じワット数(消費電力)ならPro Xの方が3倍高性能、あるいは同じ性能なら消費電力が3分の1というわけです。
実際には、SQ1チップはPro6に搭載されているインテルのチップより消費電力がずっと低いので、より高性能であるということは無いでしょう。そのかわりバッテリーの持続時間がかなり優れているはずです。
またSQ1チップには通信モデムも内蔵されており、スマホのように携帯電話ネットワークで常時LTE接続ができることがインテルやAMDのチップには無い強み。
本体サイズはSurface Pro7とほとんど変わらないが、厚さ7.3mm、最薄部で5.3mm、重量725gと非常に薄く軽いです。さらに画面サイズも12.3インチから13インチに拡大しており、見やすくなっている。
キーボードはPro7と同様、脱着式だが薄くなったPro X用にコネクターが一新されるなど完全新設計。さらにキーボードと本体の間にペンを収納&充電できる画期的な工夫がされています。
ちなみにこのPenもSurface Pro X向けに通常モデルよりも薄いSurface Slim Penとなっており、マイクロソフトのSurface Pro Xへの力の入れようが伺えますね。
このように見ると、Surface Pro Xは非常に魅力的ですが、1つ問題があります。それはWindows向けに作られているすべてのアプリが動くわけではないこと。
ARM系のSnapdragonで動かせるアプリは32ビット版アプリのみで、最近増えてきている64ビット版アプリには対応していません。たとえばAdobeのアプリは64ビット版のためSurface Pro Xでは動かすことができないのです。
こればっかりはARM系プロセッサーの互換性問題のためどうしよもありませんね。なのでもし、
「どうしても64ビット版アプリを使う必要がある」「仕事でアプリが不安定になるのは困る」
という方は、これまで通りSurface Pro 7を選ぶと良いでしょう。
逆にOfficeアプリやedgeブラウザは使えるので、多くの人にとってはSurface Pro Xで問題ありません。
ついに出た!折りたたみが型2画面Surface「Surface Neo」
出るか、出るかと言われてついに2画面Surface「Surface Neo」がでました。
Surface Neoは9インチの画面が中央のヒンジによって2つ接続されています。ヒンジは360度回転し、背面をピッタリと合わせ1台のタブレットのように使うこともできる。
ちなみに、見開きの状態では約13インチ相当の画面サイズになるそうです。
Galaxy Foldのように1つの画面を2つに折り畳めるわけではありませんが、完成度や現実性を考慮すれば2つの画面をヒンジで接続するこのやり方が妥当でしょう。Galaxy Foldは画面が壊れやすいと言われていますし…..。
Surface Neo のチップにはインテルが開発しているモバイルSoC「 Lakefield(レイクフィールド)」が搭載されています。性能などは現時点で不明ですが、発表会を見る限りはOfficeアプリはスムーズに動かせるようです。
そして注目なのが、Surface Neoに搭載されている2画面用のOS「Windows 10 X」。読み方はおそらくテンエックス。2画面のWindowsデバイスを最大限に活かすように設計されており、様々な新機能が追加されているようです。
たとえば、左側の画面に表示したウィンドウを右に移動すると、自動で見開き表示に切り替わったり、ドラッグ&ドロップで写真やファイルを移動したりなど2画面を活かした操作が可能になっています。
さらに縦置きにすることで、2画面のクラムシェルノートPCのように使うこともできる。上の画面でビデオ通話しながら、下の画面で資料を確認するなんて使い方は非常に便利そうですね。
また、キーボードを装着して通常のノートPCのように使うことも可能。キーボードを下の画面の手前に配置すれば、奥側をセカンドスクリーンのように使い、絵文字などを表示することができます。まさにMacBook Proのタッチバーを大画面にしたような感じです。
逆にキーボードを奥に配置すれば、手前の画面をタッチパッドとしても使える。キーボード自体にBluetoothが内蔵されており、本体と切り離して使うこともできるようです。
そして、もちろんSurface Penにも対応していて、背面にマグネットで固定できます。
価格は未定で、発売は2020年のホリデーシーズンとのこと。1年以上待たなければいけませんが、その間にWindows 10 Xのさらなる最適化を図ったり、アプリの対応を進めるのかもしれませんね。
まさかのAndroid搭載 スマホ「Surface Duo」
Surface Neoも驚きですが、Surface Duoもかなりのインパクトがありました。なんせAndroid搭載のスマホですからね。
Surface Neoの見た目はDuoを小さくした感じですが、中身は全く違います。マイクロソフトはグーグルと提携し、NeoにAndoroidを搭載してきたんです。マイクロソフトとグーグルが提携して、Andoroidスマホを出すなんて誰も想像できなかったでしょう。
5.6インチの画面がSurface Neo同様中央のヒンジで接続されており、見開き2画面で使うのはもちろん、完全に折りたたんで通常のスマホとして使うこともできる。
もちろん、Android搭載なのでGooglePlayを含め各種Andoroidアプリが動きます。
おそらくマイクロソフトはAndoroidスマホをだすことでデスクトップPCからモバイルPC、スマホまで一貫した製品群を揃えようとしているのではないでしょうか。
Surface Duoも価格は未定で発売日は2020年のホリデーシーズンです。