Appleは現地時間6月3日(日本時間4日午前2時)にIphone向け新OSとなる「iOS13」を発表しました。
「iOS13」ではダークモードやさらなる高速化、純正アプリの新機能追加など様々なアップデートが行われました。
具体的にどのようなアップデートが行われ、何が変わるのか、いつからどの機種でアップデートできるのかなど見ていきましょう。
※同時に発表された「iPad OS」の新機能や配信時期については以下の記事で解説しています。※
[9月30日に配信開始!] iPad専用の「iPad OS」の新機能を解説 対応機種も紹介 – WebHack
地味だが広範囲に渡る「iOS13」の新機能
ダークモード対応で目とバッテリーに優しく
まず「iOS13」の目玉機能の1つがOSレベルで「ダークモード」に対応したことです。ダークモードではiphoneの設定画面やアプリの背景色が黒くなるので見た目の印象が大きく変わります。
コントールセンターから変更したり事前に設定した時間になると自動でダークモードに変更することができます。
ダークモードになると全体的に画面が暗くなるので目に優しくなります。なので寝る前にベッドでiPhoneを使用するときに目への負担を減らし、睡眠の妨げになることを防ぐことができます。
さらに有機ELディスプレイを搭載したiPhoneX、iPhoneXs、iPhoneXs Maxでは有機ELの特徴により消費電力を抑えてバッテリー持ちを改善することができます。
アプリの起動などが高速化
iOS13ではiOS12に続き、いくつかの高速化によりパフォーマンスが向上します。
アプリの起動速度が2倍になり、Face IDも30%高速化されるとしています。さらにAppストアからダウンロードされるアプリのサイズが約半分になり、アプリのアップデートスピードは60%速くなります。
このように全体的な高速化によりiOS13 ではユーザービリティーが向上することになるでしょう。
Safari
Safariではスタートページがアップデートされた新しいものになり、ダウンロードマネージャーが追加されます。
他にも、サイトごとの設定にアクセスできる「ウェブサイトビューメニュー」やアップロードする写真のサイズを変更できるオプション、ツールーバーの非表示、複数タブのブックマーク、セキュリティーに危険性があるパスワードの警告機能など多数の新機能が追加されます。
カメラ・写真
カメラのポートレートモードではより細かな調整が可能となり、照明の位置や強さが調整できるようになりました。また「High-Key Mono」という白い背景にモノクロの被写体を配置できる新しいポートレートモードが追加されます。
写真アプリはUIが大きく変更され編集機能がより操作しやすくなります。撮影した写真を日、月、年ごとにまとめて表示できるようになります。さらに同じような写真が複数枚ある場合は表示された写真の中から機械学習を利用して写りが最も良い写真だけを表示し、それ以外を非表示にすることができるようになります。これにより無駄な表示を減らし、写真を探しやすくなります。
さらにLive Photosとビデオの自動再生機能も追加されます。
各種の写真編集機能がスワイプするだけで素早く行えるようになります。さらにこれらの写真編集機能は動画でも利用可能となり、動画の切り抜き、回転、フィルターの適用、露出の調節などが行えるようになります。
メッセージアプリ
誰から来たメッセージなのかをわかりやすくするために他のユーザー(連絡先に登録していない人も含む)に自分の名前、写真、そしてカスタマイズしたミー文字、アニ文字を共有できるように設定できます。
共有する人は「すべての人」「連絡先だけ」「共有しない」から選ぶことができます。
ミー文字には30種類のヘアスタイル、15種類の帽子、ピアス、Airpodsなどの新たなアクセサリーが追加されます。さらに色々な表情に変更してメーセージやメール、LINEなど様々なアプリで利用できる「ミー文字ステッカー」を作成できるようになります。ミー文字ステッカー素早く利用できる専用のステッカーキーボードも追加されます。
リマインダー
リマインダーは大幅に一新され、キーボードに表示されるクイックツールーバーからより簡単に日時や場所、フラグを素早く設定できるようになります。さらに写真やスキャンした書類、ウェブサイトのリンクなどをリマインダーに追加できるようになります。
メッセージアプリとの連携も強化され、リマインダーに名前をタグ付すると、メッセージ送信時にリマインドを表示することができます。
メモ
メモアプリには、添付ファイルのサムネイルからメモにアクセスできる「 Gallery View 」が追加されます。これにより画像や写真、スキャンした書類のサムネイルから素早くメモにアクセスできるようになります。
新しい検索機能では、表示された検索候補にからワンタップでアクセスできるようになるほか、メモに添付された画像の内容や特定のテキストも検索することが可能になります。チェックリストをドラッグ&ドロップすることによって順番を入れ替えたりインデントすることも可能になります。
共有機能も強化され、メモ単体だけでなくフォルダごと共有できるようになリます。
メール
メールアプリには新たに「ブロック機能」が追加されます。事前に設定しておいた送信元からのメールをブロックしてゴミ箱に直接捨てることができます。
その他、返信ボタンをタップした時の動作として、ゴミ箱、未開封、アーカイブ、ミュート、メッセージ移動という新たな操作が追加されます。メール作成時には新たに太文字などの文字装飾やファイル、写真、書類などを添付するためのフォ-マットが表示されます。
MAP
新しいMAPはより情報量の多い、高精細な地図に生まれ変わります。これまでよりも詳細な道路情報やよりリアルな建物、公園が表示されます。
さらに、Googleマップのストリートビューのように実際に撮影された写真から作られた360°の3D 画像を見られる「Look Around」という機能が追加されます。アメリカで2019年度中に、その他の国では2020年度から利用できるようになる予定です。
その他、よく訪れる場所をお気に入りに登録する「お気に入り」、お気に入りの場所を友達などに共有できる「Collections」、ドライバーが道を間違えることを防ぐ「ジャンクションビュー」、Siriによるより自然な音声ナビゲーションが追加されます。
Quick Path
QWERTYキーボードには、キーボードから指を離すことなく指を滑らせせるだけで文字入力ができる「Quick Path」が追加されます。これにより片手操作がより簡単になります。
ただし、現在のところ日本語は「Quick Path」の対象外です。
個人情報管理
プライバシー保護の観点から、いくつかの新機能が追加されました。
まず、アプリとの位置情報の共有に関して、位置情報の共有を一度許可した後も、次回以降新たに共有の許可が必要となる「1回のみ許可する」というオプションが追加されます。これにより1度位置情報を共有した後でも不要に位置情報を取得されなくなります。
さらにアプリによるWiFiとBluetoothのスキャンをブロックして、位置情報を取得することを不可能にしたり、アプリがいつバックグラウンドで位置情報を取得しようとしているを通知してくれるようになります。
プライバシーを保護しつつ、素早くアプリや、ウェブサイトにサインインするための「Sign in with Apple」も発表されました。ユーザーはGoogleアカウントやFacebookアカウント、その他のSNSアカウントを利用することなく、Apple IDだけでサインイン・ログインすることができるようになり、情報を匿名化することができます。
一度Apple IDでサインイン・ログインすると、その後はFace IDやTouch IDでサインインできるようになるほか、メールアドレスが必要となる場合はAppleが自動でランダムな文字列で使い捨て用のメールアドレスを作成するため、自分のメールアドレスが漏えいすることを防ぐことができます。
Optimized Battery Charging
バッテリーの寿命を延ばすための新機能です。フル充電の時間が長く続くとバッテリーに負担がかかり劣化の原因に繋がります。
それを防ぐために、毎日の充電状況と使用状況からパターンを学習して、まずは80%まで充電して、ユーザーが使用し始めるときにちょうど100%の充電が完了するようにコントロールします。
こうすることで長時間のフル充電を防ぎ、バッテリー劣化を防ぐようです。
Low Data Mode
モバイルデータ通信においてデータ消費量を節約することができます。
カスタムフォント
新たにカスタムフォントが加わり、App Storeからフォントをインストールし、アプリの文字に反映させることができます。
フォントは設定から管理できるようです。
AirPods
AirPodsにメッセージの読み上げ機能が追加されます。メッセージや「SiriKit」に対応しているアプリでメッセージを受信するとSiriが自動でメッセージを読み上げてくれます。
iPhoneまたはiPad同士を近づけるだけで音楽や動画コンテンツを友達や家族と共有することができるようになる「オーディオ共有機能」も新たに追加されます。
Siri
SiriがNeural TTSという機械学習によってより自然に話すようになり、サードパーティー製アプリでもSiriの音声操作による音楽やラジオの再生ができるようになります。
Siriのショートカットに行動履歴に基づいて様々なショートカットを簡単に作成できる「自動化の提案」が追加されます
コントロールセンターからWiFiやBluetoothが操作可能に
設定画面に行くことなく、コントロールセンターから直接wifiとBlutoothの接続先を設定・管理できるようになります。
画面左端に音量バーが表示
これまで画面中央に表示されていた音量バーが画面の左端に表示されるようになり、動画などの視聴を邪魔しなくなります。
iPhone XRでも3D タッチが使えるように
iPhone XやiPhone XSなど、一部の機種のみで利用できる3DタッチがiOS13ではiPhone XRなどを含めたすべてのiOSデバイスでも使用できるようになる見込みです。
ヘルスケア
新たなヘルスケア機能として女性の月経出血量や症状を記録し、月経周期を予測、確認できる「サイクルトラッキング」と視聴機能をモニタリングする機能が追加されます。
ゲームコントローラー
PlayStatio4とXbox One Sのコントローラーを使用してゲームをプレイできるようになります。
ゲーム関連の機能としては他に、3月に発表されたサブスクリプション方式の「Apple Arcade」がiOS13からApp Storeで利用できるようになります。
コントローラーを利用できることで「 Apple Arcade 」での遊びの幅が広がりそうです。
ARkit 3
iPhoneとiPad向けのARアプリのARKit3では「モーションキャプチャー」がサポートされ、人の動きをアプリに取り込めるようになります。さらに「オクルージョン」というARオブジェクトを現実世界の人間の前や後ろに配置することができる機能も追加されました。
その他「背面カメラと自撮りカメラの同時使用」「複数の顔のトラッキング」という新機能がARKit3に追加されています。
HomePod
HomePodでは新たに家族の声を聞き分けられるようになり、メッセージやミュージックアプリでそれぞれの人の指示に個別に応えるようになります。
iPhoneで再生中の音楽やポッドキャスト、電話を家のHomePodに簡単に引き継げる「Handoff」、事前に設定した時間が経過したら自動でアラームを止めてくれる新しい「スリープタイマー機能」、eartRadio、radio.com、TuneInなどの10万局以上のラジオステーションにアクセスできるSiriの「ライブラジオ」など様々な新機能が加わります。
CarPlay
大規模にアップデートされるCarPlayには新しいダッシュボードが追加され、音楽や地図、Siriを1つの画面で表示・操作できるようになります。
また、新しいカレンダーアプリでスケジュール確認ができるようになるほか、サードパーティー製のナビゲーションアプリと音楽アプリでSiriがサポートされるようになります。
HomeKit
iOS13のHomeKitでは防犯カメラである「セキュリティカメラ」がサポートされます。
カメラで撮影された映像は暗号化の処理を行った上で、iCloudにアップロードされて保存されます。過去10日間分のデータを遡って確認することができます。
「iOS13」のリリース時期は9月19日 対応機種は「Iphone6s」以降と「Ipod touch第7世代」
9月10日に開催された新型iPhone発表イベントで「iOS13 」9月19に配信すると発表しました。の開始されると。
対応機種は以下の12機種です。
iPhone Xs、iPhone Xs Max 、iPhone XR
iPhone X、iPhone 8、iPhone 8Plus
iPhone 7、iPhone 7 Plus
iPhone 6s、iPhone 6s Plus
iPhone SE、iPod touch (第7世代)
iPadはiOSから分離され「iPad OS」が誕生
これまでiPhoneと同様にiOSが配信されていた、iPadは今回からiOSから分離され新たに「iPad OS」が登場しました。
基本的にはiOSをベースにしているためiPhoneと共通している部分が多いですがiPadの大画面を活かした操作が可能になるなど、これまで以上にiPadの利便性が増し、活用の幅が広がっています。
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「iOS13」の新機能 まとめ
・待望のダークモード対応
・マップ、写真などの多くのIOS純正アプリが刷新
・個人情報保護などセキュリティーの向上
というのが主なアップデート内容になります。
一つ一つは地味ながらも広範囲に渡りアップデートが行われる印象です。
特にプライバシー関連の新機能は昨今のプライバシー保護の動きが活発化している中でAppleがプライバシーを重要視していることを示す重要な機能となっています。
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